月次決算・四半期決算経理代行
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月次決算・四半期決算について
【ページ内メニュー】1.四半期未払法人税・納税充当金の計算
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簡便法(税引前四半期純利益×見積実効税率)ではなく、年度決算と同様の方法により法人税申告書等をスピーディーに作成し、四半期の税金計算代行を行います。
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2.月次決算の目的・必要性
月次決算とは、経営管理のために毎月行われる決算のことです。 月次決算は、会社法・税法で求められる法律上の決算とは異なり、会計データを経営に生かす手法です。
月次決算を通じて、会社の経営を適時に把握することが可能になります。 すなわち、会社の経営成績、財政状態を会社全体・個々の部門ごとに把握することが可能となるのです。
月次決算の目的・必要性として以下の点が挙げられます。
(1) 月次と累積損益を集計し月次決算書を作成することで、会社の現状が計数的に把握され、年間利益計画の達成度・進捗度を測ることが可能となる。
(2) 月次決算と予算との比較(予算実績差異分析)を通じて、経営改善案を経営活動にフィードバックできます。
(3) 月次決算の精度を上げることによって年度最終利益を早期に予測し、決算対策(節税対策、納税資金準備)を図ることが可能となる。
3.月次決算の方法
(1)月次決算方法 部門別管理
月次決算では、会計帳簿を締め、月次決算整理仕訳を行い、月次決算書を作成します。
月次決算書は、部門別・製品商品別に区分されていなければなりません。各部門については、
営業利益段階まで区分集計されている必要があります。
また製品商品区分についても粗利段階まで区分集計されている必要があります。
部門別と製品商品別の異なった視点で経営成績を把握することによって、部門レベルで
経営課題を明確にすることが可能となるのです。
月次決算で部門別管理を行うことによって、業績好調部門と業績不調部門の個別の実態を知ることができます。
(2)月次決算方法 予算管理
その後、月単位の予算と実績と比較し、差異を分析します。
月次決算の数値はそれだけでは単なる経営の結果に過ぎません。前月・前年同月・予算との比較によって、
経営状態把握・経営課題発見・経営改善につなげることができるのです。
収益については実績が予算達成しているかを、経費については、予算を超過した無駄なコストの有無を
チェックします。予算と実績の差異分析によって、経営の問題点を明らかにし、早期の改善策を講じます。
具体的には、月次の「予算と実績の比較」、「前月と当月の比較」、「前年同月と当月の比較」等を行います。
エクセルで経営計画・予算を作成後、会計ソフトの予算設定機能に数値を転記するとよいでしょう。
少なくとも損益予算の設定は必要です(貸借対照表予算、資金予算も損益予算運用後に導入を検討すべきです)。
月次決算と予算統制によって、毎月の数値・計数による経営管理が可能となります。
特に株式公開を意識している会社の場合、予算と実績の差異について、なぜ差異が発生したのかを
月次で管理する必要性が高いといえます。月次決算を前提として予算管理が可能となるのです。
4.月次決算早期化
月次決算は、タイムリーな業績把握のためには、翌月10日までには完成していることが望ましいでしょう。
経営管理に役立てるためには、遅くとも15日以内に完成しているべきでしょう。
特にベンチャーキャピタルから投資を受けている会社は、投資契約で月次決算が義務とされているケースが
一般的であり、月次決算を早期化する必要性が著しく高いといえます。
月次決算早期化のためには月次でやるべきことと省略すべきことのメリハリが大事です。
月次決算では、特定の科目に対しては年度決算のように確定数値を計上するのではなく、合理的な範囲で
見積り計算による費用計上を行います。月次決算は、データの正確性とスピードのバランスを考慮する必要が
あるのです。
以下は、月次決算の早期化方法の一例です。
(1)月次決算早期化 月次決算の手順
□ 月次決算日程・スケジュールを作成し、業務分担や期限を明確にする。
□ 経営者に報告する月次決算の報告様式や重点項目を決定する。
□ 月次決算チェックリストを用意する。
□ 社内に専任経理担当者がいない場合、顧問会計事務所に月次決算を代行してもらう。
□ 顧問会計事務所には、税務にしか配慮しない会計ではなく、発生主義を前提とした企業会計を意識した月次決算にしてもらう。
□ 顧問会計事務所には、タイムリーな月次決算と月次試算表提出を遵守してもらう。
□ 税務署・都道府県税事務所等への各種届出資料控は整理して保管する。
(2)月次決算早期化 月次決算における会計ソフト活用
□ 会計ソフトでの消費税入力は内税(税込金額)で入力し、消費税区分を自動処理化する。
□ 会計ソフトへの入力を複数担当者で分散入力により月次決算処理を早期化する。
□ 会計ソフトに必要な補助科目(取引先名、商品名等)を設定する。極力、エクセルで勘定内訳明細書を別途作成しない。
□ 会計ソフトに事業セグメント毎の「部門」を設定し、セグメント毎の部門損益計算書を作成する。したがって部門設定可能な会計ソフト(例;勘定奉行、弥生会計プロフェッショナル、PCA会計等)を購入する必要がある。
□ 会計ソフトで頻出する取引について摘要登録する(頻度の高い取引の入力速度が上がります)。
□ 月次決算の定型的仕訳を会計ソフトでパターン登録する(経理経験の少ない人でも会計ソフト入力が容易になります)。
□ 会計ソフトにおいて損益予算を設定し、予算管理に活用する。
□ 給与仕訳等は給与システムから自動仕訳で取り込む。
(3)月次決算早期化 月次決算の日常処理
□ 領収書や請求書等は日付順に整理してA4用紙に貼り付けて保管する。
□ 領収書や請求書等には仕訳の伝票番号を記入する(後日、取引内容を迅速に調べられる)。
□ 会計ソフトに各銀行別・口座別の補助科目を設定する。月次決算段階で預金通帳口座と帳簿残高を一致させる。
□ 小口現金・金庫を用意せず、キャッシュレスにして、立替経費は銀行振込で精算する。
□ 振込に関して、インターネットバンクを活用する。
□ 預金通帳は適時通帳記入を行う。通帳に振込内容を鉛筆でメモ書きしておく。
□ 支払済請求書に支払済印を押印し、振込日と振込口座を明確にする。振込票控を添付するのもよい。
□ 銀行口座数を削減する。使用しない銀行口座は閉鎖も検討。月次決算で預金残高確認の手間が省略可能となる
□ 残業代や立替経費精算を月1回、給与と一緒に振り込む。
□ 月次決算において実績資金繰り表を作成する場合、複合仕訳を行わない。普通預金勘定とで仕訳を行う。
□ イレギュラーな取引については、月次決算処理前に、担当部署から経理部へ報告する仕組みにする。
(4)月次決算早期化 売上・売掛金
□ 販売管理ソフト等で売掛金管理簿を別途作成していない場合、会計ソフトに得意先毎の補助科目を設定する。
□ 販売管理ソフト(例;商奉行や弥生販売等)を導入し、請求書発行と売掛金管理を行う。
□ 販売管理ソフトを活用して滞留売掛金管理を行う。
□ 営業担当者や営業バックオフィスを教育し、売上伝票作成を早期化する。
□ 月次決算では、売上を入金時でなく、請求書発行月(納品・検収・サービス提供等)に計上する。
□ 月次決算では、売上の締め日を月末より前に変更する。
□ 得意先から検収書作成タイミングを早めてもらう。
□ 月次決算では、単価未確定売上につき、仮単価で売上を計上する。
□ 売掛金残高の差異調整実施タイミングを早める。
(5)月次決算早期化 仕入・買掛金・経費
□ 月次決算では、仕入を請求書到着時ではなく、納品書到着時点で計上する。
□ 会計ソフトに仕入先毎の補助科目を設定する。
□ 買掛金残高の差異調整実施タイミングを早める。
□ 販売・在庫管理ソフト(蔵奉行や弥生販売プロフェッショナル等)、給与ソフト(例;給与奉行や弥生給与)等からデータを直接取り込む。
□ 在庫管理ソフトを活用して在庫受払管理を行う。
□ 在庫管理ソフトを活用して滞留在庫管理を行う。
□ 月次決算では実地棚卸に代えて帳簿棚卸にする。実地棚卸をしない代わりに入庫・出庫にかかわる継続記録簿の精度を向上させる。
□ 月次決算では、仕入の締め日を月末より前に変更する。
□ 請求書が未着の場合、月次決算では合理的に見積り計上を行い、実績との差額は翌月に反映させる。
□ 請求書発送の遅い相手先については督促する。
□ 締め日後に入手した請求書は翌月経費として処理することで経理処理を早める。
□ 担当部署を教育し、請求書・社内伝票等の社内回付を迅速化する。
□ 外注先等と交渉して、締め日を前倒ししてもらい、請求書等を早期に入手。
□ 重要性の低い経費については、現金支払時に経費処理を行う。
□ 経費の発生月(支払月ではない)を仕訳の摘要欄に記載する。費用の期ズレ防止。
□ 役員・従業員の立替経費については、多桁式の経費精算書を各人に作成してもらう。
(6)月次決算早期化 その他科目
□ 仮払金や仮受金といった勘定科目は月次決算においても極力使用せず、あるべき勘定科目で計上。
□ 月次決算では、経過勘定の整理は行わない。
□ 借入金については、銀行別の各借入金毎に補助科目を設定する。
□ 固定資産管理ソフト(例;償却奉行や魔法陣減価償却等)を活用し、固定資産購入後、速やかに台帳登録を行う。
□ 関係者間の取引・債権債務は月次決算で突合する。
(7)月次決算早期化 月次決算の仕訳
□ 実地棚卸を行わず、在庫受払表(継続記録簿)における理論在庫を計上する。
□ 原価計算を月次で実施し、仕掛品を毎月計上する。
□ 固定資産管理ソフトを活用し、月次決算で正確な減価償却費を計上する。
□ 月割り経費は月次決算では年額÷12ヶ月で概算計上する。
□ 減価償却費は月次決算では年間減価償却費見積額÷12ヶ月で概算計上する。
□ 賞与引当金は年間賞与支給額を見積り、月次決算では賞与引当金の年間支払予定額÷12ヶ月で概算計上する。まだ支出されていなくても費用発生が認められる場合に計上される月次決算特有の仕訳。
(借方)賞与 XXX (貸方)未払費用 XXX
□ 退職給付引当金等は年間退職給付費用を見積り、月次決算では退職給付引当金の年間繰入見積額÷12ヶ月で概算計上する。
□ 未払費用、前払費用、未収収益等を計上する。
□ 法人税等は月次決算では税引前利益×40%で概算計上する。
□ 償却資産税等は月次決算では、年間負担額÷12ヶ月で概算計上する。
□ 月次で連結決算を導入する場合、子会社からの月次報告の精度向上。
5.月次決算の報告資料
月次決算の報告資料として必ず作成するのは、会計ソフトから出力される月次損益計算書、月次貸借対照表です。可能であれば月次資金繰り表も作成することが望ましいでしょう。会計ソフトのデータをエクセルやワードに貼り付けて、独自の月次決算用の報告書様式を作ることも可能です。
なお損益計算書については期首からの月次推移報告書があるとトレンドを把握できます。
さらに予算・前月・前年同月実績等を比較し、主要な変動要因について説明した資料を、社内の月次決算書報告会(経営幹部向けの月次決算報告の場)に提出します(理想的には翌月10日まで)。月次決算を通じてタイムリーに経営状況や問題点を把握して、対策を検討し、実際の経営改善につなげます。
月次決算の報告書の一例です。
(1) 月次貸借対照表
(2) 月次損益計算書
(3) 月次製造原価報告書
(4) 月次資金繰り表
(5) 月次損益計算書推移表
(6) 予算実績集計表
(7) 実績資金繰り表
(8) 見積資金繰り表
(9) 滞留債権一覧表